今まで、沖縄の一般住宅といえば鉄筋コンクリート造り【RC住宅】が一般的でした。
しかし、近年その常識が変わりつつあります。
沖縄では平成24年~29年度の新築着工住宅のうち、3割近くが木造住宅という結果が出てきました。
反面、7割以上あったRC住宅は5割程度に減少しています。
それはなぜか?
木造住宅とRC住宅の
比較で見えてくる答え
今回比較するのは建築費用・シロアリ対策・耐火性・遮音性・耐震性・調湿性・改築(リフォーム)のしやすさ・耐用年数・施工期間に分けて説明していきます。
建築費用の比較
建築費用(建築コスト)とは、平たく言うと材料代。
建築費用(建築コスト)を比較すると
15%~25%木造の方が
建築コストを抑えられる!
という結果が出ています。
木材は、産地や種類が豊富でこだわればいくらでも高くなりますが、日本の風土気候に合った木材は豊富にあるため、初期コストを抑えることができます。
同じ建物を建てても、木造住宅の方が費用を抑えられるので、庭や家具、内装などに費用を転換することもできるということになります。
さらに、固定資産税も木造住宅の方が安く、ランニングコストも木造住宅に軍配が上がります。
木造住宅 | RC住宅 |
◎ | △ |
木造住宅の経済性について知りたい方はこちらをご覧くださいませ。
沖縄の木造住宅と経済性について
沖縄県の木造住宅の新築見学会の様子もアップしました。
良かったらご覧くださいませ。
シロアリ被害の比較
現代の木造住宅の材料・工法・維持管理など、一昔前と比べ物にならないほどシロアリに強い住宅に成長してきました。
木造住宅のシロアリの被害件数は、古い住宅ほど多くなるという統計がありますが、ここ10年前後に建てた住宅の被害は減少。
つまり、シロアリに強い住宅に進化しつつあるといえますが、コンクリート住宅と木造住宅の被害件数を比べると
シロアリに強い住宅は
コンクリート住宅!
といえるでしょう。
沖縄では、コンクリート住宅が多いのにシロアリ駆除業者も多く、木造住宅であってもコンクリート住宅であっても、予防や維持管理は必要ということになります。
ところが、近年は20~30年保証のシロアリの保証が出てきています。
つまり、それだけシロアリに対して有効な予防や維持管理方法が出てきたということです。
シロアリの保証は、シロアリの種類によっては適応されないものがあったり、しっかりとした下調べが必要です。
木造住宅 | RC住宅 |
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沖縄の木造住宅とシロアリについての詳細はこちらの記事も参考になります。
沖縄の木造住宅とシロアリについて
耐火性の比較
木造住宅とコンクリート住宅の耐火性比較なら、こう思っている方が多いのではないでしょうか?
木造住宅に比べて
コンクリート住宅の方が
耐火性に優れている!
なぜそう思うのか?
それは、木は燃えるけどコンクリートは燃えないからです。
でも、火災にあった後のコンクリート住宅は、火災前の強度を維持できると思いますか?
答えはノーです
500度で熱せられたコンクリートの強度は60%低下するというデータがあります。
ただ、木のように燃えないだけなんです。
しかし、耐火性能の高い木造住宅もどんどん出てきてはいますが、燃え広がらないという点において、木造住宅とコンクリート住宅の耐火性の比較は、コンクリート住宅に軍配が上がるといえます。
木造住宅 | RC住宅 |
〇 | ◎ |
木造住宅の耐久性について詳しく知りたい方は、こちらもご覧くださいませ。
木造住宅の耐久性について
遮音性の比較
木造住宅とコンクリート住宅の遮音性の比較のポイントは、材質の特徴で大きく変わってきます。
一般的には、材料の重いものの方が遮音性が高いといわれています。
コンクリートと木材ではコンクリートの方が圧倒的に重いので遮音性に優れるというわけです。
最近の木造住宅も防音性能を上げるために、様々な対処はされていますが、コンクリート住宅の方が遮音性能が高いといえるでしょう。
木造住宅 | RC住宅 |
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沖縄県八重瀬町に新築した、木造住宅の新築見学会の様子をアップしましたので、良かったらご覧くださいませ。
耐震性の比較
コンクリート住宅の方が木造住宅より耐震性は高いといわれています。
しかし、現在作られる木造住宅には厳しい基準が設けられています。
1981年6月に施工された新耐震基準では、震度6~7の地震で即倒壊しないレベルに設定されています。
イスト&イシンホーム那覇店の建てる住宅は耐震等級3という最高等級になっています。
耐震等級3は消防署や警察などに多いレベル。
つまり、安全に暮らすのには支障のないレベルといえるでしょう。
木造住宅 | RC住宅 |
〇 | ◎ |
木造住宅の耐震性についてもっと知りたい方はこちらをご覧くださいませ。
木造住宅の耐震性について
調湿性・快適性の比較
調湿性・快適性について、木造住宅とコンクリート住宅を比較してみましょう。
調湿性は?
コンクリートは水分を吸いにくく、こもってしまった湿気がこもりやすくなります。木材は環境に合わせ湿気を吸ったり吐いたりしますので、コンクリート住宅に比べ木造住宅の方が、サラッとした住み心地になります。
快適性は?
コンクリートの特徴は熱を蓄える性質があり、木造は断熱する性質があります。快適性でいうと、コンクリート住宅より、木造住宅の方が性能が上といえるでしょう。断熱性能が高いということは、冷暖房費の節約にもなります。
木造住宅 | RC住宅 |
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木とコンクリートの特徴については、こちらをご覧くださいませ。
木とコンクリートの強度について
木造住宅の省エネ性能について
リフォームのしやすさの比較
リフォームのしやすさにおいて、木造住宅とコンクリート住宅の比較をしてみましょう。
正直にお話しすると、壁紙を変えたり、水回りの交換工事など、木造住宅も鉄筋コンクリート住宅も大差ないといえます。
しかし、間取りを変えるような壁を壊すリフォームにおいては、木造住宅の方がリフォームしやすいといえます。
コンクリート住宅の場合、コンクリートをはつる作業だけでなく、耐震構造も再計算の必要がある場合も出てきます。
何十年も住んだあとに、住む人たちも変わり、大きな変更があるかもしれない場合は木造住宅がおすすめです。
木造住宅 | RC住宅 |
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耐用年数の比較
木造住宅と鉄筋コンクリート住宅の耐用年数の比較をしていきます。
鉄筋コンクリート住宅の耐用年数は47年
木造住宅は22年
これだけ見ると、コンクリート住宅の方が長持ちする?と思ってしまうかもしれませんが、これはあくまで耐用年数です。
耐用年数とは、減価償却資産が利用に耐えられる年数・・・わかりにくいですね。
税法上の年数であり
寿命ではない!
ということです。
メンテナンスによって大きく寿命は変わるので、一概に木造住宅と鉄筋コンクリート住宅のどっちが長持ちか?の答えは出しにくいですが、1911年に作られた住宅用鉄筋コンクリートビルが現在も使われていますし、法隆寺などの木造建築は築1400年になります。
単純な寿命で行ったら木造かもしれませんが、鉄筋コンクリートも科学の進歩で寿命を延ばしてきているのでイーブンとしておきます。
沖縄では、潮風や台風対策やシロアリ対策が必須です。
木造住宅 | RC住宅 |
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木造住宅の耐久性やメンテナンスについて詳しく知りたい方はこちらもご覧くださいませ。
木造住宅の耐久性について
施工期間の比較
木造住宅とコンクリート住宅の施工期間の比較をしていきます。
木造住宅と、鉄筋コンクリート住宅が着工してから完成までの平均の施工期間は・・・
コンクリート住宅は8か月~9か月!
木造住宅は4か月~5か月!!
圧倒的に施工期間は木造住宅の方が早くできます。
施工期間が早いということは、建築費用の中でも大きな割合を占める【人件費】を抑えられるということです。
予算を削減できるということも、木造住宅のメリットといえるでしょう。
※木造住宅について、詳しく知りたい方はこちらをご覧くださいませ。
木造住宅 | RC住宅 |
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建築についての情報をブログにしてあります。
家づくりの参考にしていただければ幸いです。
まとめ
以上が、木造住宅とコンクリート住宅の在れこれを比較!でした。
木造住宅とコンクリート住宅のどっちがいいか?の答えにはならないかもしれません。
なぜなら完璧な材料は存在していないからです。
大切なことは、家を建てる時にメリットもデメリットも知ったうえで選択するということです。
良い話だけを聞くのではなく、しっかり向き合ってくれる業者さんを選べるようにしていきましょうね!
家を建てる時に、後悔しない家づくりに必要な自分でできる対策や知識についてのブログもあるので、よかったらご覧くださいませ。
後悔しない家づくりについて