新型コロナで住宅が変わる?
2022年1月現在、新型コロナウイルスによって私たちの生活は大きく変わってきている。
2年前に街を出歩く大半の人がマスクをして、コンビニのレジに並ぶときに距離を空けるのが当たり前になり、アルコール消毒を頻繁にする未来を想像していた人が何人いるでしょうか?
わたしは、建築家として20年以上建築に関わり、住宅や店舗などの変化の流れを目の当たりにしてきました。
人々が便利に安全に快適に住める住宅を目指し変わってきたのです。
今回の新型コロナウイルスの流行で、感染症に対する対応が住宅にも求められてるのでしょうか?
その答えは
過去の住宅の進化にあります
天災や被害などに直面し今後同じ天災や被害に対応できるよう住宅は進化してきました。
天災とは、台風(暴風)・豪雨・豪雪・洪水・地震・津波・噴火などを指します。
住宅は、天災によって変わってきた部分と、住宅への対策ではない対処に分けることができます。
過去の天才への対処から、今後の新型コロナウイルスのような感染症対策を住宅に落とし込む必要があるのか?
新型コロナウイルス(感染症対策)で住宅は変わっていくのかについて考えていきます。
住宅が天災で進化
過去に起こった天災は様々なものがあり、住宅もそれに合わせて進化してきたと言えます。
では、どんな天災があり、どのような進化があったのでしょうか?
台風(竜巻・暴風)
日本中で台風・竜巻・暴風よる被害があります。
近年の異常気象により、台風も沖縄だけの問題ではなくなってきました。
台風・竜巻・暴風などの被害からデータを取り、住宅を進化させてきました。
建物には、耐風等級というものがあり【等級1】は建築基準法を満たしたもので【等級2】は、500年に一度発生する暴風(伊勢湾台風の名古屋気象台記録)の1.2倍の力に対して倒壊、崩壊せず、50年に一度発生する暴風(1991年19号台風の長崎気象台記録)の1.2倍の力に対して損傷しない程度です。
沖縄の台風に木造住宅は耐えられるのか?について知りたい方はこちらをご覧くださいませ。
地震
地震は世界中で多くの被害を出してきた天災の一つ。
地震大国日本では、耐震性のある住宅の進化は著しいと言えます。
住宅の歴史の中で、耐震性の高い住宅に、耐震等級という基準値が設定されています。
耐震等級1
震度5程度の、数十年に一度の頻度で発生する地震に際しては、建物の損傷防止に効果があるとされています。ここで定められた「震度」に幅があるのは、震度という値そのものが、地震の被害状況から定められるためです。実際に生じた地震の性質によって震度も変わってくるため、あくまでひとつの目安として考えるべきです。
耐震等級2
耐震等級2は、上で示した耐震等級1の1.25倍の倍率の耐震強度があることを示しています。「長期優良住宅」として認定されるには、耐震等級2以上の強度を持たねばなりません。災害時の避難場所として指定される学校や病院・警察などの公共施設は、必ず耐震等級2以上の強度を持つことが定められています。
耐震等級3
耐震等級3は、耐震等級1の1.5倍の耐震強度があることを示しています。住宅性能表示制度で定められた耐震性の中でも最も高いレベルであり、災害時の救護活動・災害復興の拠点となる消防署・警察署などは、その多くが耐震等級3で建設されています。
イスト&イシンホーム那覇店の建てる木造住宅は、【耐震等級】で最高等級に対応しています。
豪雪や火事
このほかにも、豪雪や火事による被害から、住宅は進化してきました。
火事の被害からのデータを取り、燃えにくい材質などの開発が進み、豪雪地帯では屋根のこう配を強くしたり、お湯や電熱での自動雪下ろしシステムなど、安全に快適に暮らすための工夫を凝らし、現在も進化を続けています。
しかし、天災によって住宅が変わらなかった(進化しなかった)部分も存在しています。
天災で変わらなかった住宅
天災によって進化してきた住宅とは違い、個人で対処しにくい天災もある。
その天災とは、雷や津波や噴火などがあげられます。
天災「雷」
落雷の衝撃の破損や火事は、現在でも世界中にあります。
家庭で使う電化製品の電圧は100ボルト、電流は50アンペア。
落雷した時の電圧は2万ボルト、電流は20万アンペアといわれています。
数字を見るだけで雷の強さがわかると思いますが、この雷からの被害を減らすために進化したのが避雷針です。
しかし!
一般住宅に避雷針を設置している住宅は殆どありません。
九州・沖縄では、22万回以上も落雷があるそうです。
20メートル以上の建物に設置義務があり、一般住宅には設置義務はありません。
避雷器と呼ばれる異常電圧がかかったときに遮断してくれるコンセントなどの対策をしているご家庭も多いようです。
噴火や津波
天災の雷と同じく、津波や噴火も個人の住宅が対応できる範囲を超えているため、公共工事で対応しています。
過去の天災による現在の住宅が進化した部分としなかった部分は、住宅が対応できなかったというわけではありません。
しかし、対応に費用が掛かりすぎるものは、実際対応できないのと同じと言えます。
では、新型コロナウイルスなどの感染症対策に対して、住宅は進化できるのでしょうか?
感染症対策のアイデア
新型コロナウイルスの感染症対策として住宅が進化できるか・・・
感染症対策といっても、アルコール消毒などの建築後に対応可能な部分は抜きとして考えてみましょう。
たとえば、住宅を建てる時にできる感染症対策はどんなことがあるのでしょうか?
玄関前の手洗いの設置
感染症予防の鉄則の手洗い・うがいを玄関前でできれば、ウイルスを家に持ち込まないための予防になりますね。
感染症予防としてはいいアイデアだと思う玄関前手洗いの設置。
このアイデアにもデメリットがあるので要注意です。
デメリットは以下の通りです。
- 玄関前に手洗い場を設けるスペースが必要になる
- ウイルスが活発になる冬に、外での手洗いは冷たい
- 玄関前のデザインが崩れる
ちなみに、風水師に確認したところ、玄関前の手洗い場の設置は、良くも悪くもないとのことでしたが、方位によっては設置すると運気を下げるとのことでした。
これは慎重に考える必要がありそうですね。
換気効率を上げるシステム
感染症対策の一つが換気の徹底です。
常に新鮮な空気を取り入れ、家の中の空気を入れ替えるシステムは、感染症予防に有効と思われます。
以前、「沖縄の【木造住宅と換気システム】人と家を健康にたもつ仕組みとは」でもお話ししましたが、イスト&イシンホーム那覇店の24時間換気システムは、効率のいい換気で2時間ですべての空気が入れ替わります。
詳しくはこちらの記事をご覧くださいませ。
感染時の隔離システム
感染時に、個別の部屋で生活することができるように、バス(シャワールーム)・トイレなどを各部屋に設置。
第三者と接点を極力減らせる間取りも、感染症感染症に感染した時に有効といえます。
しかし、この方法にもデメリットは存在します。
- バス・トイレのスペースの確保
- 建築時の予算の増大
- 掃除やメンテナンスのランニングコストの増大
一般家庭で、この方法をとれる家庭はあるでしょうか?
ですが、今回の新型コロナウイルスの流行で、病床の不足があったとき、病院以外の施設が利用されていました。
それは
宿泊施設です!
各部屋にバス・トイレがあり、極力感染者との接触を避けるための条件として選ばれたといえます。
このことから、民泊やペンションなどの宿泊施設は自然と感染症に感染した時に有効といえますが、一般家庭では現実的といえないでしょう。
過去から学ぶ今後の住宅
間違いなく、今後も住宅は進化し続けます。
しかし、過去何度も起こった感染症に対して、住宅そのものの常識が変わったことはなく、決定的な進化はありませんでした。
それはなぜか?
それは、建築・住宅で感染症対策ができる範囲に限界があるからです。
天災によっては、個人の住宅で対策ができないものがあるように、強度の限界や費用をかけられる限度があるからです。
現在、感染症予防や対策で住宅に求められることは、抗菌材質の建材や、換気システムの強弱をつけたシステムなどの開発も進められているようですが【一般家庭の限られた予算の中でできる範囲】でしか、住宅は進化していくことはありません。
今後も新型コロナウイルスの脅威は続くでしょう。
地球温暖化によって、今までの常識が通じなくなってきています。
新型コロナウイルスのワクチンができても、さらなる感染症が出てくることが予想されます。
通常の感染症対策と、住宅を建築する時にできることを合わせ、お客様の安全と快適な住環境を提案していくことも、設計建築の必須項目になってきているといえるでしょう。
当店、イスト&イシンホーム那覇店では【お客様の理想と建築士の経験】を合わせ、快適で安全な住環境を提案できるよう、全力を尽くしていきます。
イスト&イシンホーム那覇店は【どんなことが得意な、どんな会社か?】はこちらをご覧くださいませ。
沖縄の木造住宅についての、疑問・デメリット・不安についてのよくある質問はこちらをご覧くださいませ。
イスト&イシンホーム那覇店の事務所では、新型コロナウイルスなどの感染症対策を実施しています。
詳しくはこちらをご覧くださいませ。